こんにちは。ワッカデザイン「デザインことはじめ」編集部です。
突然ですが「入稿」や「初校」、「校了」という言葉をご存じでしょうか?
自社の製品やサービスを告知するために、カタログやポスター等の印刷物を活用したいと考えるものの、専門用語がよくわからずつい先延ばしにしてしまっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
前述の「入稿」、「初校」、「校了」」は全て主に印刷物の作成に関する用語です。印刷物等の原稿作成から、印刷内容を最終決定するまでの工程全体を通して「校正作業」と呼び、これらはその工程や各工程における印刷物の状況を示す言葉です。
今回はこれらの専門用語を印刷物作成の工程に沿ってご説明していきたいと思います。
これらの言葉を把握しておけばデザイン会社や印刷会社との打合せをスムーズに進めることができるだけでなく、その工程で何を行えばよいのかを把握することができます。
それでは、これから印刷物作成の工程と関連する専門用語についてご説明していきたいと思います。
カタログデザインにおいて重要な校正とは?知ってるとスムーズな校正に関する用語
1.初稿と初校
「初稿」は「最初の原稿」、「初校」は「最初の校正」を意味しており、どちらも「しょこう」と読みます。
それぞれ以下のように説明することができます。
・初稿:印刷物に掲載するためにデザイン会社などに渡す最初の文案や図表
・初校:初稿を受け取ったデザイン会社がカタログなど印刷物の形にデザイン化したもの、校正紙とも呼ばれる
上の説明では「初稿」は最初の文面や図表と説明しましたが、デザイン会社に渡す前に自社内で推敲し内容を検討しておくと良いでしょう。デザイン化された後で大きな変更を行うことは修正に大きな労力や時間のロスが発生するだけではなく、思わぬミスの原因ともなりますので、初稿の段階で内容をしっかりと精査しておくことが重要です。
またデザイン会社へ初稿を渡す際にはカタログの色味や図表のイメージを口頭やサンプルなどを用いて説明しておくと初校の際に大きなズレを生むことなく進めることができます。
2.校正・校閲
「校正」と「校閲」はどちらも掲載内容の誤りや問題点を見つけ、修正する業務ですがチェックする内容が異なります。
・校正:
1)初稿など元の原稿と照らし合わせ、作成中の原稿の誤植や誤字脱字などのミスの修正する
2)デザインや色味などイメージしているものとのズレがあれば修正する
・校閲:
1)記載内容の事実関係に誤りがないか誤記を含め修正する
2)表記の揺れ、差別表現や不快表現など不適切表現、論理構成に破綻があれば修正する
校正作業では修正点を校正紙に赤いペンで書き込むことが多いため、校正・校閲を行うこと「赤字」や「赤を入れる」と呼ぶこともあります。
また校正を行う際は可能であれば2人以上で声に出して読み合わせを行うと見落としの防止に効果的です。
3.再校
「再校」は初校に訂正を加えた2回目の校正紙と2回目の校正を意味しており、初校に記入した修正点(赤字)が反映されているかを確認します。2回目の校正紙のため「再校」または「二校」と呼びます。三回目以降は「三校」、「四校」、「五校」と続きますが、「三校」までで終わらせることが一般的です。それ以上になってしまう場合は初稿の段階で内容の検討が不十分だったなどの理由が考えられます。
4.責了
「責了」は、デザイン会社のなどの「責任で校了してよい」という意味で、修正がほとんどなかった場合に時に使用されます。デザイン会社などが修正点の最終確認を行い印刷などへ進める校了となります。校正作業が長引いてしまった際などに使用されますが、万が一の修正漏れや責任問題を防ぐために、時間が許せば可能な限り自分の目で修正の完了を確認して「校了」にすることが望ましいと言えます。
5.念校
「念校」は「念のための校正」という意味で、校正で修正点が少なく責了で進めてもよい場合でも、念のため確認をしたい時に行う校正です。
6.校了
「校了」は「校正の終了」という意味で、印刷(WEBならコーディング)に進めるため修正点がゼロになった状態で使用します。「校了」と制作会社や印刷会社に伝えた後は、基本的には修正ができなくなり、万が一修正が発生した場合には追加費用が発生する場合もありますので、校了の前の校正ではしっかりと修正漏れがないか確認をしましょう。
7.入稿
「入稿」は印刷するため「印刷会社へ原稿を入れる」という意味です。掲載している商品写真が重要な場合には、本印刷に入る前に試し刷りを行い、色味に関する赤を入れます。この試し刷りも少しややこしいですが「校正」と呼ばれ最初の校正を「初校」、2回目を「再校」と呼びますので必要に応じて覚えておくとよいでしょう。
まとめ
ここまで「校正作業」についてご説明をしてきましたが、ポイントを整理すると以下のようになります。
また今回の説明はあくまで一般的な例のため、会社によっては内容や工程の順番が前後することもありますので疑問に思った場合は相手方に確認しておくことをお勧めします。
1.印刷物作成の初稿から責了まで全体を通して「校正作業」と呼ぶ
2.「初稿」の内容をしっかり検討しておくことで「初校」のクオリティが上がり校正作業をスムーズに進めることができる
3.「校正」・「校閲」・「再校」では修正漏れが無いよう読み合わせなどでチェックし、最終確認まで自分の目で行い「校了」する
いかがでしたでしょうか。今回はカタログなどを作成する際の校正作業についてご説明してきました。ワッカデザインではカタログなど販促ツール制作のお仕事を企画から印刷まで請け負っています。販促ツールを作ってみたいけど、どう進めて良いかわからないといったお悩みなどありましたらお気軽にお問合せ下さい。丁寧にわかりやすくご説明させていただきます。