DESIGN STORY #20
「地元で長く愛されるバルを作ろう」思いを汲んだロゴデザインと店舗デザイン
飲食店こそ見た目の個性が大事!
私がフリーランスとして独立する以前に勤めていた制作会社の中には飲食業界専門のデザイン会社がありました。居酒屋、カフェ、レストラン、ホテルなど、個人店舗からチェーン展開している企業まで実に多種多様な飲食店の仕事がありましたが、その中で一つ思ったことがあります。それは、料理や食へのコンセプトにこだわる飲食店は多いのですが、アイデンティティにこだわるお店は多くないということ。つまり、居酒屋だからこんな感じ、カフェだからこんな感じ、と言った具合で、意外と自分達と同じ業態の既存店と似たような空気感にしてしまうお店が多かったのです。もちろんパッと見で居酒屋とわかる、カフェとわかるということは大事なのですが、同じサービス、同じ料理内容でも、その街にとってアイコニックであるかどうかがお店の場合は大事なんじゃないかな?と。そうなっていれば覚えてもらいやすいし、覚えてもらいやすいとリピートもされやすい。ひいては商売が上手く行きやすい。今回の実例は期せずしてそうした飲食店の立ち上げに関わったものとなります。
仲町だから「なかちょ」、メニュー名も「●●っちょ」に!?
無理のない、それでいて愛着の湧きそうなこのアイデアは、残念ながら私の発想ではなく、お客様からオリエンテーション時に提示された、いわばお店のコンセプトに当たるものでした。正直なところそんなに安売りするタイプのお店ではないのですが、だからと言って敷居を高くする必要はなく、自分達もお客様も愛着を持てる空気をこの時点で醸し出していたと言えるかもしれません。デザイナーとして私の最初に役割は、このコンセプトをロゴデザインに落とし込んで表現することでした。提案時に5案くらいは提示したような気がしますが、決まるのは一瞬。見た目も生まれた瞬間でした。
看板、ファサード、壁面などもデザイン
飲食店に限らずロゴデザインというのは抽象度が高いため、ロゴが出来たからと言ってお店の雰囲気や細部のデザインの方向性まで定まるものではなかったりします。そういうわけで、お店のデザインをサポートする場合、ロゴが定まると大抵看板周りを急ぎ作ることになるのですが(多くの場合もうオープン日が迫っているのです)、今回は看板だけでなく、ファサード(店舗の外観)や壁面もデザインすることになりました。ロゴが出来ていてもこのあたりをデザインして初めてお店の世界観やディテールが定まってくるため、内容的にはシンプルでも結構いつも悩まされるものです。自分でも確信が持てない場合は方向性違いでいくつか出してみて、一番しっくり来たものを提案する流れにすることが多いです。
店舗関連の仕事ではWebサイトは一番最後に
ロゴが決まり、ファサード・壁面が定まると、その他細かなショップツール展開をすることもありますが、今回はWebサイト制作が最後に控えていました。飲食店に限らず、お店の立ち上げでは大抵Webサイトが一番最後になり、オープン日になんとか間に合わせる、という感じになることが正直多いです(多くの仕事ではWeb制作が先行することが多いので、逆の流れですね)。それまでのデザインですでに世界観そのものは定まっているため、内容面での作り込みをWebサイト制作を通じて行うというイメージになり、合わせてメニュー撮影などを行う場合もあります。ここまで来ると、何もなかったところからお店ができてきたんだな、と実感も湧くものですが、私の方よりもお客様の方がそれどころではなくオープン目掛けて死に物狂いになってたりするので、なるべくスムーズに仕事が流れるように気を遣います。
時間が経ってみるとデザインの真の価値がわかる
ロゴにしてもお店のデザインにしても、立ち上げ時よりもしばらく経ってから見てみると、ちゃんとハマっているかどうかがわかるものです。そこに違和感なく存在しているか、埋もれていないか、愛着のある感じになっているか、など表現は人によって様々だと思いますが、その店らしさみたいなものが立ち上がっているとデザイナーとして関わってよかったな、といつも思いますし、お客様の方からも感謝の言葉を言われたりします。私がまだデザイナーとして未熟だった頃はしれっと変わっていたりすることもありました。今思うと理屈云々ではなく、単にハマっていなかったのでしょう。今だったらそんなことにはならないと思いますが、そうした経験あっての今なのかもしれません。
ワッカデザインではこのようにお客様一人一人の置かれた課題を正確に理解し、最適なデザインとして応えることを得意としています。ブランディングという大層な感じではなかったとしても、単に今のデザインに疑問がある方、デザインをどうして良いか分からない方はぜひ一度ワッカデザインにご相談ください!お待ちしております。


