【経営雑談Vol.13】ワッカーの近くで起業し失敗した経営者たちを振り返る
<タナカの経営雑談まとめ>
今回は、ワッカーさんの周囲で実際に起業し、失敗してしまった会社の実例を振り返る少しほろ苦いエピソード。数億円の資金調達に成功しながらも現場不在で空中分解したキラキラ系スタートアップや、合議制が裏目に出た友人同士の起業、さらには成功後の気の緩みでカジノや夜の街に資金を溶かしてしまった経営者など、生々しい失敗から「起業の落とし穴」や「経営者の意外な弱さ」を学びます。
資金はあるが「現場」がいない:空中分解したスタートアップ
大企業出身の社長と大手コンサルティングファーム出身者で構成され、最初から数億円の資金調達に成功していたスタートアップの事例。社会課題の解決という立派なビジョンを掲げ、毎週のように定例会議を開き、作成したロードマップの進捗管理や修正をしていました。しかし自分ごととして現場を動かす人がいなかったことが致命的な結果となりました。 システム開発にいきなり数千万円を投じたり、事業と関連性の薄いYouTuberに高額で依頼をしたりなどと、資金の使い方も大企業的で事業規模に見合ったコスト感覚が欠如していたようです。ビジョンを語る上層部ばかりで、サービス認知を広げたり、顧客を泥臭く獲得する動きが伴わず、結果的に1〜2年で資金を使い果たし、事業は頓挫してしまったそうです。
仲良し起業の落とし穴:意思決定できない「3人組」の悲劇
次は、同じビジョンに共感した友人3人で起業したケースです。最初は高い志をもって始めるものの、起業直後は予定通りに売上が立たないため、毎月口座の残高(あるいは個人の貯金)がどんどん減っていくといういわゆる「死の谷」に直面してしまいます。起業から 半年も経つと金銭的な不安から焦りが生まれ、打開策を巡って意見が対立し始めます。ここで平等な持ち株比率や合議制による「意思決定の遅れ」が問題になってきます。誰の意見に従うかでまず揉め、上手くいかなければ「あいつの言う通りにしたからだ」と責任の押し付け合いに発展してしまいます。かつては同じ夢を持った友人同士が険悪になり、最終的には社長だけが取り残されて他のメンバーは去ってしまいます。これが友人同士による起業の多くが陥るとも言われる典型的な崩壊パターンです。
なぜそれを売る?:プロダクト愛なき「なんちゃって通販」の限界
3つ目は、1人起業でよくある「通信販売」の失敗例です。OEMの展示会や起業セミナーなどで「儲かる」商品と売り込まれた人が、化粧品やクリームなど100円ショップやスーパーの片隅にありそうな商材を、適当な差別化要素をつけ高価格で売ろうとするケースです。 ワッカーさんはLP(ホームページ)制作の依頼を受ける立場でこうした案件を多数見てきましたが、商品開発に対する熱意や「顧客の悩みを解決したい」というプロダクトへの愛が欠如している事業は、ことごとく失敗していたそうです。逆に、商材にこだわり、ターゲットの悩みを深く理解している経営者の場合、LPの細部にまで熱意が宿り、結果的に成功を収めていたという経験から、当たり前ながら自社商品への愛が不可欠であるということが語られました。
魔が差す瞬間:成功者がカジノと夜の街に「溶ける」リアル
最後は、真面目に事業を立ち上げ、一定程度の成功を収めた経営者が、突如として転落するパターンです。立派なオフィスビルに移転するほど順調だった会社が、社長がキャバクラやカジノにのめり込み、ついには会社の資金にまで手をつけて「溶かして」しまうことがあるというケースです。 一般的には「なんでそんなバカなことを」と言われますが、ワッカーさんはこれを「明日は我が身」と戒めているようです。経営者は孤独で、従業員に悩みを相談することも難しかったりします。長年の過酷な労働とストレスから解放され、一時的にお金を手にした瞬間に「魔が差す」経営者は決して少なくないと実感をもって語ります。
他山の石として:失敗から学ぶ経営の教訓
こうして失敗を振り返ってきたのは、どのケースもよくある話と他人の失敗を笑うのではなく、「いざ自分がその立場になれば、同じ失敗をしてしまうかもしれない」と想像力を働かせることが重要だといいます。資金が潤沢にあればコスト感覚が狂い、友人同士なら情が絡んで決断が鈍り、成功して孤独になれば誘惑に負けてしまう。こうしたリアルな失敗談を「他山の石」として心に刻んでおくことこそが、起業家が生き残っていくための生命線になると結論づけられました。
次回はワッカーなりに考える、独立資金や人、ストレスに関するお話しです。
「経営雑談」は池袋と目白の間にある小さなデザイン会社ワッカデザインの社長ワッカーさんと友人のタナカが中小企業経営のリアルを雑談形式でしゃべる肩に力の入らないyoutube番組です。気になったら動画も見てみてくださいね。
それではまたお会いしましょう!




