DESIGN STORY #33
ブランドの統一感と機能別訴求を両立させるパッケージデザイン
以前は大手広告代理店に依頼したけれど…
ワッカデザインの顧客層は年間70社程度あり、毎年のように移り変わっていくため、直接クライアントなら起業したての会社から中小企業、大企業と様々なら、代理店でも広告代理店、イベント会社、印刷会社、コンサル会社といったように多岐に渡ります。今回の事例はその中でも大企業がワッカデザインに依頼する時にはよくあるケースと言えるのかもしれません。
曰く、「以前は大手広告代理店にお願いしてパッケージのフルラインナップのデザインリニューアルを行ったのだけど、特にデザイン的な提案もなく、こっちが言った通りのものを作ってくるだけで、細部に至るまで全て自分たちで考えなければならなかった。それでいて金額は非常に高かったので、それだったら、自分たちとタッグを組んでくれる制作会社を自分たちで探そうと思った」実際こういった事情無しでも2020年代というのは大企業でも小さな制作会社や個人に依頼するということがおかしなことではなくなってきたように思います。
とはいえ、相見積でありデザインコンペ!
これは当然といえば当然かもしれません。特にパッケージデザインは制作会社による金額のばらつきがすごいので、実際相見積を取るのがビジネス上正しいと思いますし、デザインについても新規で取引をするならどんな提案をしてくるのか見てみないと何ともいえないのは正直なところでしょう。というので、水泳関連製品ラインナップ20点のリニューアルについて、まずは提案を作成することになるのでした。現状が1製品ごとにバラバラにデザインされているのでそれを統一させるのはそう難しいことではありませんが、その上で価格帯、ユーザー層(アスリートか趣味かと年齢層)、搭載機能の違いによる訴求をするのは簡単ではありません。また、フルリニューアルと言いつつ、なんだかんだパッケージ上の制約もあるので、本当の意味で自由な提案ではなく(これは仕事で行っている以上当然かもしれませんが)、その範囲内での最適解を出さねばいけません。様々な売り場も見てひねり出した提案は、担当者が言うには「最も自分たちの意向を叶えていて、デザインも一番格好良かった」というものだったものの、金額がやや高かったようで、そこだけ仕様の調整をしながら抑えて再提出したことで、受注となるのでした。
デザインと試作を重ねることで見えてくる答え
しかしながら、いざ本制作に入っていくと、オリエン時にはなかった条件が色々と出てきます。デザインと試作を出していくうちにだんだんと真の課題が見えてきて、1ヶ月経つ頃には提案時からは抜本的に異なるデザイン仕様に変えることで諸条件をクリアしていきます。その頃には小回りの効く印刷会社にも途中から同行してもらうようになり、都度変わる仕様と数量から、何度も見積を出し直したり、かなり厳しく単価を下げる努力も行うことにもなり、この辺りはいかにも大企業相手の仕事と言えるのかもしれません。また、着手から約4ヶ月後に全てのアイテムの校了を得るのですが、その間の試作だけでも紙のパッケージなのに30万円以上になったのを記憶しています。実際には全ラインナップで年間10万個を超えるのだから印刷会社的にも必死でした。
この実績から、別製品ラインナップのリニューアルも
そこから1年後に今度は別製品のラインナップリニューアルも手がけることになります。こちらは少し勝手が違ってPP(ポリプロピレン)によるケースと紙のケースといったように最初からある程度ジャンルが分かれていたため、整理し直してブラッシュアップを行うのが主な仕事でした。ここで提案したキャッチコピー主体のレイアウトとPOPを作成するプランが結果的に評価されるのですが、さらにそこから1年くらい経つと他社も同じようなレイアウトに変えていたりするのを売り場で見ることになり、業界の先を行く仕事になっていたのを実感したものです。また、POPのアイデアが評価されて売場提案も行うようになっていき、当初のデザインコンペがその後のワッカデザインの仕事を変えたと言えるのかもしれません。
大手企業のパッケージデザインでも通用するという自信
この案件は当時のワッカデザインにとって非常に象徴的な仕事となりました。元々紙のグラフィックデザイン出身の会社であり、Web制作は持ち前のデザイン力で乗り切っていたものの、パッケージデザインはさらに異なる業界と言えて(一見紙のデザインと近しいと思うかもしれませんが)、パッケージデザインに強い会社は大抵パッケージ専門でやっているものなので、その土俵でも自分たちが戦えるというのは会社としては大きな自信になったわけです。今でこそ化粧品やサプリメント、食品、飲料などと多ジャンルのパッケージデザインを手掛けていますが、この頃はまだ経験が足りず壁にぶつかっては何とかするようなもがいていた時期だったように思います。こうして振り返ると感慨深いものですね。
ワッカデザインではこのようにお客様一人一人の置かれた課題を正確に理解し、最適なデザインとして応えることを得意としています。ブランディングという大層な感じではなかったとしても、単に今のデザインに疑問がある方、デザインをどうして良いか分からない方はぜひ一度ワッカデザインにご相談ください!お待ちしております。


