DESIGN STORY 10

東京・豊島区の都市型公園における「受け手に優しい」プロモーション

公園であっても独立採算を目指す時代

デザイン会社は大抵何か得意な業界を持っているものですが、ワッカデザインでは起業当初から一貫してお客様や案件の本質に向き合うことで業種や業態に関係なく上質なデザイン提供を行ってきました。IT、飲食、小売、学習塾、商業ビル、不動産、etc…。中でも特に印象的な案件、都市型の公園におけるデザインプロモーションの実例をご紹介します。

今回のクライアントはワッカデザインと同じ東京都豊島区にある都市型公園を管理し、植栽や接客まで含めた公園に関するあらゆることを行う専門業社です。通常の公園は自治体の予算から管理費が賄われているのですが、この公園ではそういったものもありながら、受身にはならずに公園側でもイベントやテナントなどで収益を上げることで独立採算を目指していこう、という全国的にも先駆けた事業スタイルのものとなります。とは言うもののプロモーションのあり方としては、例えば商業ビルや飲食店などとはまただいぶ趣きの異なるもので、毎回様々な工夫や気遣いを必要とします。

利用者のマナー向上のためにレターを配る

私自身も知らなかったのですが、公園の芝生は見た目丈夫なようで意外と傷つきやすく、綺麗な芝生を維持するには利用者にも啓蒙していかなくてはならない、というのがその趣旨でした。それでも例えば公園で遊んでいる人に対して管理者側が利用案内みたいなものを配るというのは当初ピンと来なかったのですが、よくよく話を伺っているといかに利用者に不快な思いをさせずに理解してもらうかが肝要で、デザインテイストも柔らかくイラストなども使ってできるだけ優しく表現したいとのこと。今では公園のキャラクターとして根付いていますが、こうして生まれたのが「しばふちゃん」。このレターの挿絵として制作したのが始まりでした。

見た目に可愛く、とてもいじめたりなんかできそうにない(?)しばふちゃんのレターは、いざ配り始めてみるとほとんどクレームが出ることもなく利用者の方にご理解いただくのに役立ったと評判で、増刷したり、当初は春バージョンだったものを秋バージョンも作成したりと、公園の定番ツールとして定着。しばふちゃんは様々なポーズ展開してお渡しすることで、公園内の掲示物やtwitter、キャンペーンなどで活躍しています。

週末のイベント、ファーマーズマーケット

この公園の大きな収入源として見込まれていたイベント「ファーマーズマーケット」はコロナ禍により長いこと中止を余儀なくされます。毎週末開催するイベントのため、ポスターやチラシもデザインして作ってあったのですが、周辺のビルや駅などに貼られたのは緊急事態宣言が解除されたようやくつい最近のこと(2021年10月現在)。農家の方の新鮮な野菜や作物を都心の公園でマーケットとして販売するという素敵なイベント。こちらはそのフェスティバルやマルシェのようなワクワク感を感じてもらえたらという思いでデザインしています。

デザインで言葉にできない気持ちを伝えたい

芝生を守りたい、マナーを守ってほしい、農家の野菜を食べてほしい、みたいなものは、そのまま言葉にするとシラけてしまうように感じるのは、私自身が屈折しているからでしょうか?人間というのは天の邪鬼なもので、反論できないような正しいことをそのままストレートに言うとかえってその気持ちを削いでしまうというのは、仕事でもプライベートでも趣味のサークルでも意外とあることだと思います(例えば「掃除をしなさい」と言われたらしたくなくなる、とか)。そういった言葉にできないニュアンスだとか気持ちみたいなものは別のものに投影すると良いことは多くて、例えばその一つはデザインにあるのかもしれません。ワッカデザインではそういった機微のあるデザインができたら良いと思い、日々悪戦苦闘しています。お困りの際はぜひ一度お気軽にご相談ください!

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