ワッカデザインの2021年

念願の売上高5,000万円超え!

だいぶ前に聞いたことなので現在とのズレはあるかもしれないですが、デザインの制作会社というのはその70%が売上高3,000万円以下、従業員数2、3人という規模感、そういう業界だったりします。だからおそらく実力のある人が独立して事務所を構え、会社として大きくしていきたいというよりも自分の仕事を大切にしながら頑張っていくというパターンが典型的な制作会社の姿であって、デザイナーを10人も抱えていれば業界的にはかなりしっかりした印象を抱くので(その多くは広告代理店関係の制作会社な気がしますが)、その意味ではワッカデザインは会社設立から6年目を迎え、当初の個人事業主(フリーランス)の延長のノリから、ようやく「会社」になろうとしている、そんなフェーズに差し掛かったのかな、とひしひしと感じます。この2021年の振り返りを書く前にWebサイトに今年の制作物を色々とアップしたのですが、全体としてもはや僕一人の会社ではなく、何人かで切磋琢磨している会社なのかな?という風にやっぱり見えるし、それは嬉しいような、寂しいような、だけどよりやりがいのある仕事、信頼感のある仕事を行なっていくには組織として大きくなっていく以外にないので、やっぱり嬉しい気持ちを感じているという具合なので、売上規模的にも仕事のクオリティや幅広さ的にも人員構成的にも「会社」になってきているのでしょう。同時にこれもずっとピンと来てはいなかったのですが、僕自身も「代表取締役」「社長」になるんでしょうね(もちろん肩書きは当初からずっとあるのですが)。

デザイン業というのは労働集約的なので粗利率自体は高く、フリーランス時代〜会社1年目あたりは売上の90%が粗利だったものです。それがいつの頃からか印刷から請けるようになると印刷費は仕入れになったり、Webサイトの案件が増えてくるとデザイナーはコーディングできないので、コーディング費用が外注になったりして、この2〜3年は財務的にだいぶ苦しく粗利率60%〜70%あたりをうろうろしていたのですが、それが今期は80%まで回復させることができました。一言で言えば「コーディングの完全内製化を実現した」ということなのですが、これがまた当初思っていたよりずっと険しい道のりでした。コーディングの外注費が月100万円を超えているのだから、損益計算書を見るまでもなく内製化した方がいいというのは何年も前からわかっていて、しかしながら採用がなかなかうまくいかないのです。知り合いのツテを紹介してもらっても話は楽しくできるものの全滅。採用をかけてみれば内定を出しても逃げられてしまう。結局今コーディングの内製化が実現できたのは、スクール出たての未経験者をイチから育て上げることができたから、に尽きます。しかもこちらはコードの概念はわかっていても実務は大して教えられないので、ひとえに彼女の並外れた努力によってわずか1年でLPもWordPressも全て構築してくれるようになったわけです。昨年の今頃はせめてLPだけでも出来れば御の字、と思っていたので、嬉しい誤算でした。

ワッカデザインはもともと新規営業をかけなくても年20%ほど案件が増えていく特異体質(?)なのですが、コロナ禍にあってもそれは健在でした。昨期はそれまで最も売上の多かったイベント関係の仕事や飲食関係の仕事が9割減の壊滅的なダメージを受け、債務超過寸前の大赤字を計上したのですが、今期もこれらは全く回復しなかったものの特異体質のおかげで失った分を全て埋め、コロナ前の水準に戻っています。まぁこの特異体質と言うのは要はお客さんや知り合いからの紹介なのですが、今期特に大きかったのがWebサイトからの問い合わせで、これはこれまでになかった傾向だったりします。これも意外がられることが多いのですが、ワッカデザインではリスティング広告等は一切かけていないので、Webからの集客は元々ほとんどありませんでした。コンテンツによるSEOはある程度やっているのでもちろんゼロではなかったですが、今期は通常紹介いただくのと同じくらいの案件数・売上金額をWeb問い合わせから実現することができ、これもまたありがたい誤算です(これはある意味ではコロナ禍のおかげかもしれません。お客さんの話を伺っていると頼っていた制作会社が潰れたり、とかもあったので)。

というような流れで運にも助けられ、昨期の大赤字中に賭けのような人材採用は今期結果オーライとなり、いつの間にかワッカデザインは「会社」の風貌が出始めている、そんな状況です。そうそう、昨期事務所移転したばかりですが、そこからわずか1年ちょっとで今期も事務所を移転しました。これまで池袋を代表する風俗街の片隅にいたのですが、もうちょっと落ち着いている南池袋・目白方面に来て、見た目も以前とは比べ物にならない立派なオフィスビルとなり、こうして今、今年の状況を整理し、来年の戦略を練っている、そんなところです。

グラフィックデザイン発、経営コンサルタント!?

…なんて言うようなことを言うと、本業の経営コンサルタントに怒られそうなものですが、税理士や社労士、金融機関との付き合いも長くなって来て、この辺りの仕組みはだいぶ理解して来たかな、と自分でも思います。スタートアップというのは何を勉強しておけば良いとかほとんどなくて、というか肝心なことは本にもインターネットにも載ってなくて、自分で経営者としてやってみる、知らないことにぶちあたったらなるべくそれもやってみる、というようなTry & Errorを地で行くようなやり方でしか身につかないと僕は思っていますが、それはともかく身についている人から話を聞く以外にスタートアップの経営者にとって重要な情報にはたどり着きにくいものです。運転資金や設備資金で融資してもらうにも自分から窓口行ったってろくに話は聞いてもらえないし、助成金やら補助金やらもそもそもどうやってそれを知るのかさえわからなかったりするし、果ては決算での調整なんかほとんどの税理士はスルーだし、うちはあまりやっていないですがやれ生命保険だ、クレジットカードだ、みたいなものもあったりして、こういったものはほとんどが知ってるか知らないかの問題なのに、誰も教えてはくれないものなので結局自分自身で勇気を持って知らないものに飛び込んで知るしかないのが実情です。最近は僕の方が誰かにこうした方がいいよ、というようなアドバイスをする機会が増えてきました。資金に困っている会社の話を聞いてその場で必要な情報を聞いて、そのまま金融機関につなぐというケースもあったくらいで、こういう仕事も悪くないかも、と内心思ったりもします。

そういった経営的な話とは別に、本業であるデザイン業の方でもコンサル的なニュアンスというのは強くなってきました。これは主にWeb案件の話になるのですが、多くのWeb制作会社はSEOの手法をほとんど知らないという実情があり、言ってしまえばサイトを作って納品して終わりという仕事の仕方をしている会社がどうも多いようです。Webサイト制作を受注する前に大抵企画書なり何なりを出すことは多いと思いますが、その時に納品後の運用も視野に入れてサイトツリーを考えるようにする、そして実際に納品後にはコンテンツSEOのアドバイザーとして継続的にお客さんとお付き合いをする、その中でSNS運用の話だったり、紙ベースのデザインの話だったり、はたまた先ほどのように経営の話だったり、で、複合的な案件に進んで行く、というような流れがワッカデザインでは当たり前のようになってきていて、どうもこれがあまり競合しないスタイルのようでコンペでも案件が取りやすく、またその時取れなかったとしても、しばらく経ってからまた話が聞きたいと言ってくれたり。今はWebサイト主体のコンサルティングという感じですが、これがもっと広がっていけばブランディングにももちろん届くでしょうし、こうやって仕事のフィールドというのが変わって行くものなんだと思わされますね。僕自身はコンサルティングも全く志したつもりはないのですが、人からすれば「それはデザイナーの仕事じゃないよ」と言われたりするので、たぶん多くのデザイナーはこうじゃないんでしょうね。この辺はもうよくわからないです、よりよく課題を解決することと向き合って行くとこうなっていくように思うのと、その発端はグラフィックデザイナー的なクリエイティブ・シンキングによるものだとは思うのですが。

来年は新規を取りに行きます!

そういうわけで今日1日かけて1年分のワッカデザインの売上やクライアントの分析を行い、その結論がこれ、「来年は早々にも新規を取りに行かなくてはいけない」です。今年は案件的には不動産業界の案件を中心に運が良かった面が強く、来年は売上が落ち込みそうな業界の案件と伸びそうな材料のある案件でトータルトントンになりそうな気がしています。なので、引き続きコーディングは1人からチームへと移行させつつ、デザインも仕事が移り変わって行く中で、僕自身が新規を取ってきて、新規で取れた分は丸々利益となる、そんな基本戦略になるのかな。これまでずっと止めていたビジネスマッチングを復活してもいいような気もしますし(ただ、狙いはBtoBにした方が良いかもですが)、久しぶりに積極的に営業かけてみようかなと思っています。2022年もワッカデザインをどうぞよろしくお願い申し上げます。

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