ワッカデザインの2020年

コロナ禍を一つの大きなテコにして

2020年といえば誰しも出てくるキーワードが「コロナ」だと思います。弊社株式会社ワッカデザインは幸い倒産の危機というほどには影響を受けませんでしたが、それでも振り返ってみると独立当初からやっていた展示会・イベント関係の仕事は9割減の憂き目に遭いました。昨年はこの部分が最高益を上げていたのが今年はほとんど数字が存在せず、その分を元々増加傾向だった新規案件で埋めているため、昨年対比で売上推移を見るとまるで別会社になったかのようです。もしもコロナがなければイベント関係は売上のベース部分として現状維持、新規案件が純粋な増加分としてカウントできたであろうことを考えると、ついに売上5,000万円越えも全然有り得たのですが、コロナでもちろんそれは夢のまた夢状態に。なりふり構わず助成金・補助金関係を繰り入れ、最終的には4期はこれまで3期分繰り延べてきた利益を全て相殺する形で何とか会社の体裁を保つことができた、というようなとても悔しく、また新規案件や長年の不良債権(?)を少しでも売上に結びつけるべく、特に後半戦は無理ばかりしてとにかく地獄のような日々。僕個人でいえば週2〜3の徹夜がデフォルト状態となり、精神的に鬱っぽくなるのを自覚しながらも(特に年末は鬱発症寸前だったと思います)、それでも何とか年末にたどり着いた、そんな感じでした。

しかしながら会社としてはコロナを一つのきっかけに、これまででは到底不可能だったレベルの融資を受けることができ、成長の土台を先取りするかのような動きも取ることができました。特に大きかったのが人材の確保。この情勢下で売上も立っていないのに求人なんてかなりの賭けであることも感じながら、僕が本当にくたばってしまうよりはと赤字覚悟の採用をし、結果的にはいなくてはならない人材確保に結びつけることができたのは2021年のワッカデザインを羽ばたかせる大きな土壌となると思っています。夏前には事務所も1.5倍規模の拡大移転をし、これもかなり家賃を抑えられたのはコロナ禍で物件が選びやすかったという事情を考えると、会社としては一気に数年分の動きをしたのではないでしょうか?人の人生も会社の経営もなかなか予定通りというわけにはいかないので、思いがけない点と点をうまく結んでいければと切に感じます。

デザイン案件はWebデザインを中心にさらに幅広く推移

昨期にはついにWeb案件が半数を占めるようになった全体感は2020年もさほど変わることはなく、コロナ禍にあっても特にWeb案件の安定した受注にはだいぶ精神的に支えられましたが、増加した新規案件のほとんどは紙のグラフィックデザインで、それもBtoCばかりのため、やっぱりデザインの力が必要とされているところはこういうところなんだなァと思わされますね。ブランディング的なものも今期は特にBtoCが多く、ロゴや各種ツール制作はもちろん、撮影やイラストによるキービジュアル制作も交えて複合的な仕事に結びつけることができたのは、デザイン会社をやるからにはいつかそうありたいとずっと思ってきたので、感慨深いものがあります。同時にこれまではなんだかんだ余力のあった僕自身の提案力に対し、今期はいただける案件のレベルがだいぶ追いついてきて、それも多数同時平行で進むため限界まで酷使させられているので、まだまだもっと成長していかないと、という危機感も同時にあります。もう個人でできるレベルでは本当になくなってきているため、仕事がこなれてきたメンバーと共により深い表現を志していければまたこれまでとは違った形で会社を成り立たせることができるのかな、と思います。言うだけなら簡単なんですけどね、やるしかないですね。

また、うまくいかなかったのがWebコーディングの完全内製化。毎月100万円は外注費として出ていく状態が長く続いており、本当はこれが今期の最大の課題だったのですが、結果として今期もそれはなりませんでした。とはいうもののイチから教えることで育ってきたメンバーもいるため、外注費そのものはだいぶ減少傾向にあり、ベテラン1人を採用して何とかするという当初の思惑とは異なる形で、来期は何とかなりそうです。新卒もまた一人入ってくるため、特に若手メンバーに案件を手分けすることも視野に入れながら、強固な体制を作っていければ自ずとさらに外注費も減らせるのかな。ありがたいことにこの辺は楽観視できる空気なので、みんなを育てながら僕自身の負担を減らし、営業にリソースを傾けることで、売上アップを図るというのが基本路線になりそうです。

アート活動について

日頃から「アートとデザインは違う」を口癖に、プロフェッショナルの「グラフィックデザイナー」として仕事をしている僕なので急にどうした?という感じの話題ですが、僕個人で行なっていたアート活動が2021年は本格化します。4月にはシンガポールのホテルで個展、来年2022年春には上野の美術館でのグループ展がすでに決まっており、会社としてデザイン業とは異なる新しい事業に位置付けられるように尽力するつもりです。元々は辛く苦しい(?)デザインの傍らに自分への癒しとして誰のためでもない自分のための表現をinstagramで細々と行なっていたのですが、これが作品数300を超えたあたりで色々な方の評価をいただくようになり、自分でも思ってもみない状況に今ひとつ実感を持てないでいます。しかしながら作品として自分が良いと思って制作を進めているのも確かなので、グラフィックデザインで培ったセンスを最大の武器として、作品作りに取り組んでいこうと思います。昨年まではこっそり活動していたので、今年はアート活動についても堂々と露出を増やし、デザイン業との相乗効果を得られれば会社としても良いのかな。

僕個人で事が済んでいた頃とは違ってなんか色々と複雑で難しい状況が続きます。超えられない壁など存在しないと信じ、来年もまた会社として成長できたね、と思えるよう頑張る所存です。2021年もワッカデザインをどうぞよろしくお願いいたします。

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