こんにちは!サエカです。少し前までは30℃を超えるくらい夏真っ盛りだったのですが、すっかり涼しくなりましたね。今回は前回の記事の続きのような内容ではありますが、デザイン制作する上での取り組み方にスポットを当てていきます。
RP(ロールプレイング)ではなく「同化」
「同化してデザインする」。具体的にどんな言い方だったのかまでは思い出せませんが、デザインを見ていただいた時に社長から言われた印象的なフレーズです。TRPG(テーブルトークRPG)が好きでよく友人と遊んでいるので、初めはそのRPのようなものかと思ったのですが、RPではなくあくまで「同化」で、社長や先輩社員さんは技術として身についているそうです。でもそもそも同化するってどういうことで、RPとは何が違うのでしょうか?正直なところ、社長のおっしゃっている意味が分からないという気持ちが拭えないのですが、社長の考える「同化」とは違うとしても、自分なりに考えてみたことや、あるコラムの中で印象に残ったことなどを書いていきたいと思います。
RPとの違いですが、RPは所謂「演じている」状態で、人の性格などの表面上の特徴をなぞったり、あるシーンの解決策を事前に想定して備えたりするようなことだと思います。それに対して同化は、「役になっている」状態で、その役がどんな役で、何をしていて、どんな人たちに向けて何を伝えたいのかという、裏の背景だけでなく感情まで読み取ることなのではないでしょうか。例えば、お客様がバンドならそのバンドのメンバーになりきって、どんな思いを持ちながらどんな曲を作っていて、どんな人たちに何のメッセージを曲に乗せて伝えたいのか、というところまで考えてデザインすることなのかなと。前回同様、「じゃあそれをできるようになるには?」ということになるのですが、なりきることについて調べていた際に、ある演劇教室のブログで参考になりそうなことが書いてありました。それは、
- 自分の役が置かれている状況や目的、それを達成するための行動を読み抜く
- 「もし私だったら…」と仮定していき、自分との共通点を探し出す
という演劇の自主練習です。まず、登場人物は必ず「何か」を求めてシーンに存在しているので、「何か」とはなんなのか、それを達成するためにどんな行動をしているのかを読み抜くことから始め、それをクリアしたら次に「もし私だったら…」と仮定していく作業をして、役と自分との共通点を探し出します。そこで、もしその役と同じ行動が取れないとしても、「こういう状況だったら同じ行動ができるだろうな」というように、想像を働かせて役との間を埋めていくといった練習をしていくそうです。デザイン制作も、依頼してくるお客様や、消費者の気持ちを汲まなければ良いデザインはできないので、この自主練習のように普段の案件を行っていけば、社長のおっしゃっていた意味を実感できるのかもしれません。
リサーチも同化するための下準備
前回の記事でもリサーチの重要性について言及しましたが、同化してデザインする時にも大事になってきます。調べたこと全てが制作時に役立つわけではありませんが、全く知らない業界ほどリサーチして背景を知ることで、これからその業界に必要となってくることや課題が見えてきて、クライアント様の視点や気持ちを理解するサポートになります。実際、ある製造業の会社のロゴデザイン案を制作した時にも、全く知らなかった製造業のリサーチをしたことで、世界と日本の製造業の違いや強み、これからの課題(特にコロナ後)など、クライアント様の置かれている現状や必要になる行動を知ることができました。また、私の場合は知っていることが少なく視野が狭くなりやすいため、興味の幅や知見を広めるという意味でも、これからもリサーチが大切になっていきそうです。