ワッカデザインの2019年ーグラフィックデザイン編ー

今年はグラフィックデザインをジャンルに分けて記してみよう

今年はビジネスマッチングが上手く機能したこともあり、とにかく自己紹介の多い年でした。ただ、これが実は苦手なんですよね、僕自身が自己紹介が苦手というのもなくはないかもしれないのですが、それより株式会社ワッカデザインって何をしている会社?というお題に対して相変わらずスパッと綺麗に言うことができなくて。一言で言うならもちろん「グラフィックデザインの会社です」ということになるのですが、それだけだとピンと来ないことが多いので、実績などもなるべく多めに見せつつ「紙のデザインから端を発してWebデザインやパッケージデザイン、展示会やイベントのデザインまで幅広く手がけています」くらいは言わないと間が持たないんですよね。だけど実際は過去の仕事のどれかを目の前の相手の仕事に当てはめたりするわけじゃないし、何の保証にもなっていないのを自覚しつつ、かといって会話のとっかかりを作らないのも辛いからある意味では儀式のようにやっている。ただ、そうこうしていく中でこうして改めて振り返ってみると共通して伝わっていることがあります。今年はそれをジャンル毎に書いてみようかな、というわけです(抽象度を上げると「きちんとグラフィックデザインと向き合う会社です」になってしまうので)。

Webデザイン編

「え?いきなりここまでデザインしてくれたんですか??」って言われてホッとするというのがパターン化しつつあります。「Webデザイン」という業界は紙のグラフィックデザインよりも理論や理屈が付いて回ることが多いせいか、結構七面倒なフローを律儀にやっている会社が多いようです。つい先日もありましたが、例えばワイヤーフレームで企画だけ考えるというのが僕には正直面倒で、デザインを考えながらこの辺にこういうコンテンツがあるといいか、という具合で組み立てているため、一通り考えがまとまったかな、となった時にはほとんどデザインも出来上がってたりします。それからワイヤーフレームを逆算して作ろうとするのですが、数分で面倒になって、だったらデザインに説明をつけて出せばいいや、となってしまうわけです。Webデザインを他の会社でどう組み立てているかよくわからないですが、僕としては実寸での感覚的な動線に基づいて作ることが大切なため、それとデザイン表現のメリハリみたいなものも当然切り離せないから、デザインから入った方がやりやすい。だけどお客さんからすると論理的な段階を2段階くらいすっとばしたものがいきなり上がってくるから驚かれる、そういうことなのかもしれません。

こういう風に言うとたぶんちょっと反発も生まれそうですよね。「いやいや、感覚とかじゃなくてさ、結局Webは運営してナンボなんだから、Analyticsとかヒートマップとか色々加味しなきゃ意味ないじゃん」的な感じでしょうか。僕も最初そう思ってもっと慎重にデザインしていたんですけどね、どうもこの「感覚判断」は今のところ実態と乖離が少ないようで、そろそろCTAがこのくらいのサイズ、デザイン的な目立ち度であったらいいな、とか、このコンテンツはスルーでいいけど離脱は困るからこれくらいの感じかなとか、これだとナビゲーション工夫した方がいいなとかが、結果的に大抵数値の上でも改善させてきたのと、場合によってはWebのコンサルタント(?)みたいな人の意見に沿って改善したら僕の納品時よりかえって悪化したということすらあります。よく言われる「UI、UX周り」も同じです。紙のグラフィックデザインで培った視線誘導やデザイン表現の共感力みたいなものがWebでもそのまま当てはまるんだな、と本当に思いますね。ちなみにいわゆる「大手クライアント」もでき、いつの間にか売上金額的にも従業員2・3名程度の小さな会社としてなら「Web制作会社」として独立しようと思えばできるまでに育ちました(笑)

ブランディング編

今やWebデザインがデザイン案件全体を牽引することが多くなりました。なので、Webサイト制作が取っ掛かりのブランディング案件というのは本当に増えましたね。Webサイトを制作したいからと呼ばれて行ってみると実はロゴもなくって、とか、Webサイトができたから、紙のパンフレットやツールやら諸々合わせ直したい、とかはもう日常茶飯事。今年はもう一歩進んでデザイン的なコンテンツを武器にするシーンも増えました。きちんとした撮影をしたり、キャラクターやイラストレーションを合わせて制作したり、Web制作のデザイン表現が複合的になることで、より「ブランディングらしく」なってきたように思います(業界的には、ロゴ、名刺、Webサイトが一式やれれば「ブランディング」みたいな側面もあるので)。まだ数は多くないですが、大企業のこういった案件もちらほら出始めているので、会社全体として順調にステップが上がってきているようにヒシヒシと感じます。

その一方で、奥が深いな、と思わされるのもやっぱり「ブランディング」というジャンル。販売促進(SPツール)と異なり、売れる・売れないという次元だけでは測れないし、本当はもっともっとできることがあって、instagramとかもそうだし、社内のちょっとしたものとかをデザイン的に改善するだけで大きな結果を生むことだってあるはず。年間を通じてきちんと育てていく本当の意味での「ブランディング」を手がけてみたいですね。その時は今のようにとにかくスピード感で数で稼ぐビジネススタイルは成り立たなくなるので、ちょっと色々経営判断とかも必要な気がしますが、その頃にはもっと社員も増えて、会社としての仕事の回し方も変わっているのかな。今は全然実感わきませんが、楽しみです!

パッケージデザイン編

たぶん既存のお客さんはほとんど知られていないと思いますが、こっそり力を入れて増やしているのがこのジャンル。Webデザインとはまた違った意味で「紙のデザイン」の会社は実はあまり持っていないタイプの仕事です。だから競合する際も「パッケージデザイン専門の会社」とかが出てきたりするから、こっちの説明としてはやっぱり「きちんとグラフィックデザインと向き合うことでパッケージのご提案をします」という感じ(笑)似ているようで販促ツールの仕事とはだいぶ異なります。ほぼほぼ会社のブランディングとイコールのこともあれば、製品ブランディングみたいなこともあるし、小売店で販売するものであれば陳列棚でいかに目立つか・手に取ってもらえるかにウェイトを置くこともあるので「パッケージデザイン」で一括りにはしづらいですが、一つ販促の仕事と大きく違うのは「商品そのもののデザインである」ということ。商品の持つ本質を正確に捉えることとデザインの伝える感覚的なイメージの双方が求められるのかな、と思っています。人間が意外と論理的にできていないこともあり、グラフィックデザインは理論や理屈で捉えられない部分もかなり大きいので、そういったところに理解があって、かつそれをデザインに反映できると良いのかな。口で言うのは簡単ですけどね、常にそうありたいものです。

グラフィックデザイン編

いよいよ最後はグラフィックデザイン。ワッカデザインにとって一番根幹であるのにグラフィックデザインを最後に持ってきたのには理由があります。様々なジャンルの各論からの方がうちのデザインに対する姿勢がハッキリするかな、と思ったからで、実際あまり言及するようなことはもう残っていないのですが、例年よりもさらに幅と深みは出てきたかな、と思います。特にイラストをここまで年間通じて武器に使ったことはないので、特にデザイナーには負荷がかかったかもしれないですが、イラストが今後のハッキリとした強みになるのは間違いないので、これからも臆することなく提案に入れていきたいですね。それと長年やっているイベント関係もブースやパネルに留まらない案件が多かったのも今年の特徴でした。場合によってはイラストを入れるものもありましたし、半年以上かけてWebプロモーションや新聞広告も含めて制作を行うもの、何百万もの予算でプロモーションビデオを制作するもの、サービス紹介をマンガとして制作するもの(それも3回もリピートしました!)など、印象に残る案件が数多く、本当にありがたい一年でした。来年はもっとハードルの上がった案件が待っているのかもしれません。2020年もワッカデザインをよろしくお願いいたします!

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