フォント漫画のすすめ

こんにちは。エミリーです。 実はこの1つ前の記事「デザイナー1年目の反省」よりもこっちの方を先に書き進めていたのですが、しばらく寝かせてしまいました。

いつもより若干雑談に近いですが、お付き合いいただけたらと思います。

フォント題材の漫画!?

先日、中々更新されないブログを按じてネタ作りになればと知り合いの方から 「フォント男子」と「となりのヘルベチカ」という漫画の差し入れをいただきました。本当にありがとうございます。 近頃戦艦や刀の擬人化は存じていましたが、ついにフォントの世界にまでその波がきていたのか…!と驚きを感じながらも早速読むことにしました。感想を述べるとめちゃくちゃ面白い!その一言に尽きるので、今回はご紹介を兼ねて取り上げたいと思います。

「フォント男子」

「フォント男子」は擬人化したフォント男子たちの高校が舞台になっています。この学校の転校生のアンチックANが主人公です。このアンチックAN、主に漫画の吹き出しのセリフに使用されているフォントなんですよ!私は黙読中に脳内で文章が音声で再生されるのですが、あれはアンチックANが語りかけてくれていたんだ..!と妙な感動が湧き上がりました。そして、アンチックANの親友役で太ゴB101も登場します。漫画の吹き出しは、仮名がアンチック体、漢字がゴシック体の組み合わせ(混植)で、通称「アンチゴチ」として表現されることが多いんです。作中でも抜群のコンビ仲をみせてくれます。

漫画の監修を天下のモリサワが務めているため、おなじみの日本語フォントがたくさん擬人化され登場し、モリサワを代表する基本7書体で結成された「F7」まで出てきます。4でも6でもありません。作中でもフォントの雑学や小ネタが満載ですが、登場フォントのキャラクターが魅力的かつ、ストーリーの構成が非常に分かりやすく難なく読めてしまうので、1冊読み終わる頃には自らのフォントについての知識の蓄積量に驚きます。

「ヤングエースUP「フォント男子」」
https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000093/

「となりのヘルベチカ」

こちらは小さなデザイン会社の営業担当の丸栖ちゃんが主人公です。社内のデザイナーが失踪してしまったため、急遽ロゴデザインを引き受けることになってしまったところからストーリーが始まります。彼女は書体知識0のため、主人公が比較的読者の立場に近いのがポイントです。この作品では欧文フォントが擬人化して自らの特徴や誕生秘話について紹介してくれます。ヘルベチカさん、フーツラさん、アリアルさん、フルティガさん、ゴッサムさん、ディンさん、欧文書体界のそうそうたる顔ぶれが揃っており、4コママンガやコラムでさまざまな書体の知識を楽しみながら学ぶことができます。タイトルにも登場している”ヘルベチカ”とは世界中で最も使われている書体だと言われています。 ヘルベチカをテーマにしたドキュメンタリー映画まで製作されました。すげー!

「かみのたね「となりのヘルベチカ」」
http://www.kaminotane.com/2019/05/30/4626/

実際の業務を経験すると、デザイナーが文字を扱うことの難しさを痛感します。 今回の規格に対して、どれくらいの文字の大きさが見る人にとって最適なのかに加え、文字と文字の間のアキは詰めた方がいいのか空けた方がいいのか、組み方は?書体は…? 最適解は毎回異なり、それを常に判断するのはデザイナーに委ねられている部分が大きく、実は非常に繊細な技術が必要なので、一朝一夕で身につけられないのですが、何事も

まずは興味を持ち身近に考えられるようになることが身につける近道だと思っています。 読後、フォントの知識とキャラ設定が頭に残っているため、フォントに対して意識が変わった気がします。専門書だと中々イメージするのは難しいですが、感情移入しながら理解できるのは漫画の良いところだよなと改めて実感しました。

今回取り上げた作品はどちらも入門中の方にはピッタリな内容なので、ぜひチェックしてみてください〜!

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