どうにか乗り切った、というのが正直なところ

 
僕のあらゆるデザインの仕事はjpgないしpdfの形で残しています。Google Driveに保存し、基本的にはPCから、時には打ち合わせでタブレットから、帰り道に気になったところを見る時はスマホから、という具合にいつでも閲覧できるようにしていて、労働時間の大半をiMacに向かっているわりに意外とデジタルデジタルしていない僕の生活の中で、最も“BYOD”的なデバイス活用をしている部分かもしれません。しかしながら、フリーランスになってからはそのjpgを作成する時間を作るのもなかなか難しくて、半年に一度程度まとめて作業するようになってしまったのですが、それを今日は仕事をほっぽり出してやっていたのでした。自分でやったくせに忘れている仕事というのも結構あって、デザインを見るだけでも過去の自分と対話しているかのような気持ちになります。
 
今年の3月、個人事業主としては珍しいようですが、正社員を1名雇いました(この国では、雇い主が個人事業主でも、期間の定めのない雇用契約を取り交わせば「正社員」となります)。昨年の秋頃コーポレートサイト制作が3件重なったためにあらゆるスケジュールが崩壊し、2日に1日は徹夜していたのがきっかけとなって採用活動を開始、実際に採用したのが3月ということなのですが、こうして今年の仕事を振り返ってみると、そうしていなければ全く乗り切れなかっただけの量を1年通じてこなしている事実に気付かされます。お陰さまで2年目は資金的な不安はほとんどなく、徹夜をすることもほとんどなく、ただ休日もほとんどなく、という状況だったので、やっぱり今年もなんとか乗り切った、こんな苦しい思いをしないよう来年も工夫しなければ、という気持ちというのが正直なところだったりします。
 

デザイン力は提案力で「力が全て」という事実

 
経営的なことは近いうち改めて記すこととして、今日はせっかく作ったjpgを見返しながら今年の仕事ぶりを振り返ってみたいと思いますが、前述の通り、数は増えました。掛け値なしで量も金額も昨年のほぼ2倍。クライアントの勢力図(?)的には昨年と同じ2大勢力が大半を占めていますが、それ以外でもそこそこの売上規模を持つものがいくつか出てきていて、感覚的にも昨年にはなかったような案件はだいぶ多かった印象があります。WebサイトをPhotoshopで作らないといけない仕事や、PowerPoint資料のデザインなど、アプリケーション的にもこれまであまり触れてこなかった分野を何とかこなしているうちにすっかり身に付けていたり、デザインの種類で言えば念願のパッケージデザイン案件が出てきているのは純粋にとても嬉しいです。なかなか仕事でやらないと、世の中に溢れるデザインを仕事の目線では見れなかったりするので、採算ベースではあまり良くなくても仕事としてやっているというだけで今はありがたいです。
 
しかしながらそういうものは局地戦と言うか、仕事全体からするとまた違った印象もあります。というのは、昨年に比べ「考えなければ答えの出ない案件」「コンペ/提案案件」がかなり増えていて、これは手前味噌ながら1個1個の仕事が評価されて、次の仕事を生んでおり、同時に仕事に対してお客さんに期待感を与えられている証拠であり、少しホッとしている自分がいるからです。結局「グラフィックデザイナー」も一種の専門職である以上、本人の性格や社会性などとは無関係に言いたいことは仕事そのもので示せなくてはならない側面があり、しかも扱うのが「デザイン」という「見た目」であるために、説明抜きに提出したデザインの意図や良さをわからせないと一人前とは言いがたいところがあります(もちろん説明は説明で付けるのですが、それはまた少し次元の違う話だったりします)。忙しかったり、疲れていたり、嫌になっていたり、フリーランスになってからは特に色々なことが足を引っ張る中で、なかなか日々の仕事でそこまで俯瞰した視点を持つのも大変なのですが、概ねそういう流れにあるのを大量のjpg/pdfから感じられるのはひとまず「及第点」というところでしょうか。
 

長期的に目指すのは「デザイナー」ではないかもしれないけれど

 
言葉で書いてみるとショッキングな内容に見えますが、別にデザインを辞めるとかそういうことではなくて、どうやらデザインを生業としてやっていく上で、僕の最大の能力は「デザインすることそのもの」ではないかもしれないということです。もっとこう、何気ないところから本質的な部分を探り当てる部分というか、何と言うか、今はあまり言葉に出来る自信はないのですが、直近のことでもないですし、やがては何か別の立ち位置にシフトしていくのかもしれないですね。逆に直近の課題としては、これは明確で、1月から加入する正社員2人を含め常時4人体制となるため、きちんと戦えるチーム体制に育てていくことでしょう。年齢も性別もキャリアも皆バラバラですが、デザイン力を身に付け、訴求する提案をするという点だけはブレずに見つめていれば、何とか2年くらいでただの分業にとどまらない本当の意味でチームになれるかな、とは思っています。本当は僕とは毛色の違うスーパーデザイナー/ディレクターを入れて、活発な議論(?)のもと提案力を強めたいですが、それはもうちょっと先のことになりそうです。
 
そういうわけで来年は今年とは違った意味で大変になりそうですが、そうなれればクリエイター的にも成功の一年と言えそうです。頑張ります!