そもそもレイアウトデザインって何だろう?

 
グラフィックデザインと言うとものすごく広い範囲を指す上、デザインを専門に身につけた人でないと難しい感じがしますが、グラフィックデザイナーでない方が日常でデザインを必要とする際というのは、たいてい「レイアウトデザイン」の範囲に収まるものだったりします。エクセル資料とかパワーポイント資料とかは全く同じ内容が書いてあったとしても伝わり方が結構変わってしまうものなので、「見た目良く作りたいなぁ」と思ったことのある方はとても多いのではないでしょうか?今回はパワーポイントの資料を作る際に、デザインを学んだことがなくても出来るちょっとしたポイントを紹介しますね。
 
「レイアウトデザイン」というのは、パンフレットだとか雑誌、ムックなどのジャンルでよく聞く言葉で(場合によってはwebデザインも近いものはあるが)、A4サイズならA4サイズという限られた範囲の中でどう情報を整理し見せていくかという手法になります。パワーポイントも白いスライド枠内に見出しや説明、写真、図などを配置して見せる資料であることが多いから、言ってしまえばこれもレイアウトデザインの一種というわけです。しかもパワーポイントの場合は、雑誌などの紙面を精細にデザインしていくよりは遥かに1ページあたりの情報も入れる要素も少なく、そんなに様々なレイアウト手法を取り入れる必要もないため、本当にちょっとしたことが見た目の差につながったりします。
 

大きく分けて2パターンのレイアウトでいい

 
パワーポイントでの資料作成なら、表紙や扉ページなどのスライドで使いやすい左右対称の「シンメトリー」と、各個別の説明で使う「左上から右下レイアウト」の2パターンもあれば大抵の場合充分のはずだから、その考え方をここから見ていくことにします。
 
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「シンメトリー」はスライドの真ん中に沿って左右対称に入れたいものを入れていくというとてもシンプルな構図で、誰でも比較的簡単にまとまったレイアウトを作ることができるわりにとても安定感のあるページになるため、表紙や扉ページに向いている、ということになります。一方の「左上から右下レイアウト」は実は正式名称が何て言うのかわからないが、横書きのパンフレットなどでは定番の配置方法で、人間の目線が左上から右下に向かう心理を利用して、最初からその流れの上にものを置いていく方法です。これだけ見るとどちらのレイアウトもこんなの誰だってわかっているよ、もっと見せ方教えてくれよ、と言われそうですが、ほとんどの場合がこれらのバリエーション違いだったりしますので、これにもう少し素材を置いて考えてみることにしますね。まずは表紙スライドに背景を置いてみます。
 
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いかがでしょうか?書体とかはいじらず背景を置いただけなのですが、一気に表紙らしくなったのではないでしょうか?シンメトリーの配置をした時点ですでにレイアウト的なバランスは取れているから、後は背景や書体をどうするというだけの問題になるため、それなら比較的簡単に考えられるように思います。もう一つシンメトリーの構図で扉ページを見てみますね。
 
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パワーポイントは何ページにも渡る資料全体のトーンを揃えるのも重要だったりしますので、表紙と同じ素材を入れてみた形ですが、シンメトリーだからといって本当に同じにしてしまうと今度は漫然としてしまうでしょうから、シンメトリーの範囲の中で別レイアウトにしてみました。これくらいの差が生まれれば、表紙と扉ページの住み分けになるのではないでしょうか?今度は説明ページを見てみます。説明ページの方はシンメトリーよりも説明として使いやすい「左上から右下レイアウト」に沿って作りますので、まずはいくつかレイアウトパターンから紹介してみることにします。
 
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こうして見ると実はどれもよく見るレイアウトだとは思いますが、基本的にレイアウトというのはプロではない限り特殊なことはしない方が読みやすく仕上がるものだったりします。と言うかプロでもあまりレイアウトレベルでの無茶はしないものなので、このレイアウトの時点ですごく凝ってみたとしてもパッと見た感じよくわからなかったらあまり意味がありませんよね?結局シンプルでわかりやすい方が内容が伝わりやすいので、同じ労力を費やすならレイアウト自体ではなく、レイアウトの中に入れる内容や素材の方を凝ってみたらいかがでしょうか。
 
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ここでも相変わらず書体とかはいじっていないので、どんなものを置くかというのがいかに完成度に影響するかを感じていただけると思います。写真をどんなものを持ってくるとか、図をどんなものにするとか、ここではやっていないけれどアイコンを入れてみるとか、例えばそういうものがあると、レイアウトは全く同じでもすごく集中力を感じるデザインになるものなのです。ではその中に入れる素材のデザインをどうするというのはまた別の機会にするとして、最後にもっと細かな部分でこれだけは守った方が良いレイアウト上のルールを記します。
 
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そう、全部が全部やらなくても良いけれど、要所要所をそろえるということが「しっかりした資料」「しっかりしたプレゼン」という感じをとても出してくれるので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?そろえるのにも2種類あって、文字通り「開始位置をそろえる」というものは見ればすぐわかると思うけれど、「間をそろえる」というのも是非やってみて欲しいです。「間が同じ」ということはレイアウト上では両者の関係性は「対等であること」を意味するので、逆に狭めればその2つは関連性が強いものと見えるし、離れればその2つの関連性は薄くなるので、その辺を意識してプレゼンする相手にどう理解して欲しいかということを感じながら開始位置をそろえ、間をそろえていけばきっとそこまで迷わないように思います。スライド上に置いてあるもの全てに対して正確に関係性をきっちり構築しなくても、この写真の説明の文章はこれだからこの2つは近めにしよう、とか、この3つは対等の選択肢だからその間は均等に空けて、しかもちょっと広めに取ろうとか、そんな気軽な感じで大丈夫です。やってみると意外なほど簡単に伝わりやすくなるのを実感出来るのではないでしょうか?
 
このように、意味の上からパワーポイント資料を作っていくと伝わりが良くなっていくというだけでなく、自分自身その内容に対する理解がとても深くなっていくから、例えばそれがプレゼンなら自然と説明する際にも自信が持てるようになるだろうし、社内資料なら閲覧した人が「わかりやすい!」って言ってくれるかもしれません。そんなに上手く行くものかなと思う人もいるかもしれないけれど、だまされたと思って一度ちょっとだけ頑張ってみてはいかがでしょう。パワーポイントと言えども、そこには「レイアウトデザイン」というこれまで味わったことのない快感がきっとあるはずだから。